今年は雪がちらつく日も多くて寒い冬でしたね。
とはいえもう3月、三寒四温でだんだん温かい日も増えてきました。
雪国の知人に聞くところによると、全部が真っ白に覆われてしまうので明るいけれど色が少ない。それが少しずつ溶け出し最初は茶色が見え出すとそこからちょっとずつ緑というか薄緑のような色が見え出すのだとか。
そんな色が増えるこの季節、少しずつですが花が咲き出しますね。
こちらに引っ越してきてから毎年桜の時期が楽しみになっていました。
それと同時に季節の花に目が行くようになり、冬の終わりを知らせるように梅が咲き出すことに改めて気付かされました。
梅の花ははもちろん知っていましたが、いつ咲くのか?と問われると深く考えたことがありませんでした。
そんな時帰り道にポツンと一輪だけ咲き出した花を見つけました。それが梅だったのです。
そうか、梅ってこんな寒い時期に咲き出すんだと思うと、寒さの中咲くさまが健気なように感じ興味が湧いてきました。
早速調べてみると有名な梅林はあちこちにあります、その中でも
「梅は岡本、桜は吉野、蜜柑紀紀の国、栗丹波」という言葉が大正時代ごろにあったそうです。
岡本とは神戸市東灘区にある阪急岡本駅周辺のことでした。今は宅地化で当時ほどの梅林は残ってはいないようですが、毎年梅まつりは行われているとのこと。
屋外の行事ですし、たまには休みの日に足を伸ばしてみることにしました。
阪急岡本駅を降りるとそこは梅林など縁のなさそうな石畳の商店街がありました。
昔から続く有名なパン屋さんなども通りすぎ、地図に記された梅林に向かいます。
そこは斜面にある公園のような作りになっていて、たくさんの種類の梅が段々畑のようになっていました。
梅は赤、白、ピンク、濃いピンクもあれば薄い色もあり、こんなにたくさんの種類の梅があるのかと驚きました。
そして、咲く時期も少しずつ違うようで、満開の木があればほとんど終わっていて咲いていない梅もありました。今年は残念ながら梅まつりは中止されてしまったようですが、お祭りがあるときは甘酒が配られたり、近所の和菓子屋さんがお団子を販売していたりするようです。そしてお祭りがなくても、この時期には多くの人が梅見に集まるようで、この日もたくさんの人が訪れていました。
梅は近づくとほのかにあまずっぱい、ほんのりですが梅干しのような香りがしてなんだか風に色がついたような華やかな気持ちになります。
一つ一つの花も、八重咲きと言って花びらがたくさん重なったものや、花びらが5枚のものなど、たくさんの種類の梅を見ることができました。帰り道は歩行禅もかねて一駅分歩くことにして、梅の香りや花の余韻に浸って歩くことができました。
ひんやりとした風が吹いたかかと思えばふっと温かい風がよぎる瞬間もあったり、いい時期ですね。
次はもうすぐ訪れる桜の季節が楽しみです。